Web改善

問い合わせが増えない原因チェックリスト20【ホテル・結婚式場・B2B版】

問い合わせ増加のチェックリストとグラフのイメージ
目次

「Webサイトへのアクセスはあるのに、問い合わせが増えない」「テコ入れしたいが、どこから手を付ければいいかわからない」とお悩みではありませんか?
特にホテル・結婚式場やB2Bサービスのような「検討期間が長く、比較される」商材では、小さな引っかかり(摩擦)が大きな機会損失につながります。

結論:成果を最速で出すための優先順位

最短で成果を出すには、以下の順序で課題を潰していくのが鉄則です。

まず「計測(GA4のKey event)で事実を出す」
→「主要導線(入口〜主要ページ)を整える」
→「フォーム摩擦を減らす」
→「返信・追客の運用を仕組みにする」

計測なき改善は、目隠しで運転するようなものです。まずは事実を把握し、ボトルネックを特定しましょう。

チェックリスト20:原因と対策一覧

自社のサイトが以下の項目に当てはまっていないかチェックしてください。
注意:No.19-20(計測)が未整備なら、他の改善の前に必ず先に着手してください。

No カテゴリ 原因(要約) 確認方法 すぐ対策(当日〜1週間) 根本対策
1 A 流入 検索で露出不足(指名/非指名) SC:表示回数/クリック/CTR/順位 主要LPのタイトル/見出し/内部リンク整備 意図別LP設計+継続運用
2 A 流入 MEO/GBPで取りこぼし GBP:通話/サイトクリック/経路 施設情報・写真・予約リンク等の更新 MEO運用ルール化(週次)
3 A 流入 “問い合わせ意図が低い流入”が多い GA4:チャネル別セッション/CV率 チャネル別にLPを分ける 集客ポートフォリオ再設計
4 B 訴求 1画面で「選ばれる理由」が伝わらない 主要LPの直帰/スクロール/熟読 ファーストビューを再構成 ターゲット別訴求設計
5 B 訴求 料金・プラン前提が不明瞭で不安 料金ページ閲覧→離脱、問合せ質問内容 “概算の出し方”と含む/含まないを明記 見積の前提テンプレ化
6 B 訴求 CTAが曖昧(次の行動が分からない) CTAクリック率/遷移率 CTAを「空き確認/見積/来館予約」に具体化 導線設計(役割分担)
7 C UX スマホで見づらい・操作しづらい GA4:デバイス別の離脱/CV率 主要ページからモバイル改修 モバイル前提の情報設計
8 C UX 表示が遅い/崩れる(体験が悪い) CWV/ページ体験、離脱 重い画像・不要スクリプト削減 パフォーマンス改善継続
9 C UX 必要情報が足りない/探しにくい FAQ閲覧、回遊、検索内検索 “決めるための情報”を補完 IA再設計(ページ体系)
10 D フォーム 項目が多すぎる/必須が多い フォーム開始→送信の落差 項目削減・段階化 要件と項目の棚卸し
11 D フォーム 入力補助がなくスマホがつらい モバイルの入力時間/離脱 input type/autocomplete/選択肢 フォームUX標準化
12 D フォーム エラー表示が分かりにくい エラー頻発箇所、送信失敗 エラー文言・位置・アクセ改善 バリデーション設計
13 D フォーム 送信後の体験が弱い(不安が残る) 完了ページ離脱、問い合わせ重複 完了ページ+自動返信+次案内 追客シナリオ化
14 E 信頼 規約/キャンセル/支払が不透明 規約ページ閲覧→離脱、質問多発 よくある条件を要約表示 契約前情報の標準化
15 E 信頼 個人情報の扱いが不明で躊躇 フォーム離脱、PPC表記有無 利用目的/同意/連絡手段明記 情報管理の運用設計
16 E 信頼 口コミ/実績/第三者情報が弱い 事例/レビュー閲覧率 実績・写真・FAQを増強 更新運用(撮影/掲載)
17 F 返信 初動が遅い/担当不明 受信→初回返信の時間 自動返信+担当割当 SLA+ルーティング設計
18 F 追客 追客が属人化して漏れる 失注理由・追客期限の未記録 期限リマインド/テンプレ ステージ+週次レビュー
19 G 計測 Key event未設定で増減判断できない GA4:Key events設定/レポート 問合せ関連イベントをKey event化 計測設計書の整備
20 G 計測 SC/GA4/電話/CRMが分断してる ツール横断で同じ結論になるか 最低限の突合ダッシュボード “共通ID/定義”を統一

カテゴリ別解説

A) 集客(流入)の問題

No.1 検索で露出不足(指名/非指名)

  • 症状:指名検索でも出てこない/「ホテル 宴会 見積」「結婚式場 来館予約」などで露出が少ない
  • なぜ起きる:検索結果での表示回数が少ない=そもそも候補に入れていない
  • 確認方法:Search Console「パフォーマンス(検索結果)」で 表示回数・クリック・CTR・平均掲載順位 をクエリ/ページ別に確認
  • すぐやる対策:主要LP(宴会/婚礼/宿泊団体など)のタイトル・見出し・内部リンクを「意図別」に揃える
  • 根本対策:意図(宴会/婚礼/団体/会議等)ごとのLP設計+更新運用

No.2 MEO/Googleビジネスプロフィールで取りこぼし

  • 症状:マップから電話・サイトクリックが伸びない/プロフィールが古い
  • なぜ起きる:GBPは「検索・マップで見つけた後の行動」が計測・改善できるが、情報不足だと離脱しやすい
  • 確認方法:Business Profileの Calls/Website clicks/Bookings 等を確認
  • すぐやる対策:営業時間・電話・URL・写真・予約リンク・よくある質問を最新化

No.3 “問い合わせ意図が低い流入”が多い

  • 症状:アクセスはあるのに問い合わせが増えない
  • なぜ起きる:流入の「量」ではなく「意図」がズレていると、Key eventが起きない
  • すぐやる対策:チャネル別に入口LPを分ける(例:ポータル経由は“比較検討の背中押し”、指名は“即問い合わせ導線”)

B) 訴求(メッセージ)の問題

No.4 1画面で「選ばれる理由」が伝わらない

  • 症状:トップ/宴会/婚礼LPの滞在が短く、下まで読まれない
  • なぜ起きる:最初の画面で “ここが自分向けか” が分からず離脱する
  • 確認方法:主要LPのファーストビュー直下での離脱・スクロール(ヒートマップ推奨)
  • すぐやる対策:ファーストビューに「対象(誰向け)」「強み3点」「次の行動(CTA)」を集約

No.5 料金・プラン前提が不明瞭で不安

  • 症状:「結局いくら?」が分からず離脱/問い合わせが“質問だけ”で終わる
  • すぐやる対策:“概算の出し方” “含む/含まない” “変動要因” を明記し、キャンセル条件を要約して提示する
  • 根本対策:見積テンプレとFAQを整備し、サイト→返信→見積まで同じ前提で運用する

No.6 CTAが曖昧(次の行動が分からない)

  • 症状:「お問い合わせ」だけで、何を依頼できるか分からない
  • すぐやる対策:CTAを具体化する(例:空き確認する/宴会見積を依頼/来館予約

C) コンテンツ/UXの問題

No.7 スマホで見づらい・操作しづらい

  • 症状:スマホだけCV率が低い/電話タップばかりでフォームに進まない
  • なぜ起きる:モバイル前提で作られていないと、比較検討中の離脱が増える
  • 確認方法:GA4でデバイス別にCV率・離脱率を比較
  • すぐやる対策:主要LPからモバイル改修を行う(文字サイズ、タップ領域など)

No.8 表示が遅い/崩れる

  • 症状:画像が多いページ(会場写真/フェア)で離脱が増える
  • 確認方法:Core Web Vitals、該当ページの直帰増
  • すぐやる対策:重い画像の最適化、不要スクリプト削除

No.9 必要情報が足りない/探しにくい

  • 症状:必要な情報(アクセス、会場仕様、プラン例、実績)が見つからず離脱
  • すぐやる対策:主要LPに「最低限の決定材料」ブロック(会場仕様/料金/キャンセル/流れ)を追加する

D) 申込・問い合わせフォームの問題(最重要)

No.10 項目が多すぎる/必須が多い

  • 症状:フォーム開始はあるが送信が少ない
  • なぜ起きる:入力負荷が増えるほど離脱しやすい
  • 確認方法:フォーム開始→送信の落差
  • すぐやる対策:“今この段階で本当に必要な項目だけ” に削る。追加情報は送信後に回す。

No.11 入力補助がなく、スマホでつらい

  • 症状:スマホのフォーム離脱が高い/入力ミスが多い
  • すぐやる対策autocomplete属性、適切なinputタイプ、選択肢(プルダウン/ラジオ)を導入する

No.12 エラー表示が分かりにくい

  • 症状:「送信できない」問い合わせが来る/入力エラーで戻される
  • すぐやる対策:エラーを該当項目の近くに表示、文言を具体化する

No.13 送信後の体験が弱い

  • 症状:重複問い合わせ/「届いてますか?」が増える
  • すぐやる対策:完了ページに「返信目安」「次に準備する情報」「緊急連絡手段」を明記+自動返信

E) 信頼・不安の問題

No.14 規約/キャンセル/支払が不透明

  • 症状:最終段階で離脱/問い合わせの大半が「キャンセル条件」
  • すぐやる対策:キャンセル条件・費用発生タイミング・支払い方法を「要約」で見せる

No.15 個人情報の扱いが不明で躊躇

  • 症状:フォームで離脱/「個人情報が心配」という声
  • すぐやる対策:フォーム近くに「利用目的」「返信手段」「保管期間」等の要点を明記する

No.16 口コミ/実績/第三者情報が弱い

  • 症状:「実績が分からない」→比較で負ける
  • すぐやる対策:最新写真、実績(件数ではなく事例の中身)、よくある質問を補強する

F) 返信/追客の問題

No.17 初動が遅い/担当が不明

  • 症状:問い合わせはあるのに商談につながらない
  • なぜ起きる:リードは時間とともに“熱が下がる”。初動が成果に直結する。
  • すぐやる対策:自動返信+担当割当ルール(営業時間内)を決める

No.18 追客が属人化して漏れる

  • 症状:連絡漏れ、失注理由が残らない
  • すぐやる対策:追客テンプレ(1通目/2通目/来館前/後)+フォロー期限の必須化

G) 計測・運用の問題

No.19 GA4のKey event未設定

  • 症状:「問い合わせが増えない」が感覚論になる
  • 確認方法:GA4でイベントを Key eventとして設定しているか
  • すぐやる対策:問い合わせ送信、電話タップ、LINEタップなどをKey event化する

No.20 ツールが分断している

  • 症状:SEO施策したが問い合わせが増えたか分からない
  • 原因:Search Console、GA4、CRMが繋がっていない
  • 対策:最低限、SCとGA4を同一ダッシュボードで並べる

最初の30分で切り分ける手順(診断フロー)

  1. Q1:GA4で“問い合わせ系Key event”が見える?
    → Noなら まずKey event定義&設定(No.19)
  2. Q2:流入は足りている?(量×質)
    → 表示不足なら 露出不足(No.1)、クリック不足なら 訴求(No.4-6)
  3. Q3:GBP(マップ)経由の反応はある?
    → Noなら MEO取りこぼし(No.2)
  4. Q4:主要LPで離脱が目立つ?(特にスマホ)
    → Yesなら UX改善(No.7-9)
  5. Q5:フォーム開始はあるのに送信が少ない?
    → Yesなら フォーム改善(No.10-12)
  6. Q6:送信はあるのに商談につながらない?
    → Yesなら 返信/追客(No.17-18)
  7. Q7:施策と結果がツール横断で追える?
    → Noなら 分断解消(No.20)

ホテル版・結婚式場版の違い

観点 ホテル(宿泊/宴会) 結婚式場 Key event例
検討期間 比較的短い 長い(比較・相談・来館前提) ホテル:宴会見積/空き確認
婚礼:資料請求/来館予約
ボトルネック MEO・電話導線・空き確認 価値提案・料金不安・来館導線 共通:問い合わせ送信・電話タップ
信頼の焦点 キャンセル/支払条件、アクセス 見積増額不安、打合せの不安 条件表示の重要性

具体例:多チャネルでも破綻しない導線

ホテル例:宴会・会議の問い合わせ(法人)

理想フロー:
1) 検索/MEO → 2) 宴会LP → 3) 条件閲覧 → 4) 見積依頼 → 5) 自動返信 → 6) 担当割当 → 7) 24h以内に一次提案

多チャネル対策:問い合わせ種別(宴会/団体/一般)で 同じ項目定義 に揃えてCRMへ連携する(No.20)。

結婚式場例:資料請求 → 来館予約

理想フロー:
1) LP → 2) 資料請求 → 3) 自動返信+来館導線 → 4) 来館予約 → 5) リマインド → 6) 見積

要点:強みが1画面で伝わらない(No.4)、キャンセル/見積の不安(No.14)、追客が属人化(No.18)を重点的に潰す。

まとめ:次の1週間でやること

まずは「現状診断チェック10」を行い、自社のサイトのボトルネックを特定してください。全てを一度にやる必要はありません。計測基盤を整え、上流(流入)から順に、あるいは最も数字が落ちている「フォーム」から改善していきましょう。

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